ひっくりかえした、宝箱。

この瞬間、きっと夢じゃない 。

輝くあなたの灯火に

 

鏡に映るように、瞳のなかに映っているのはゆらゆらと揺れる淡いオレンジ色の灯り。ゆっくりと1音1音を確かめるように刻まれるギターの音色。喉から発せられ空気の密度の濃淡が、周りの空気を振動させて波が生まれる。その波にぷかぷかと浮かんでいるかのように身体をあずけて揺れるだいごくん。以前より体つきがしっかりしてきたとはいえ、おおきな会場のステージに立つ姿はやはり小柄で華奢だ。

 

小さな肩に背負い込んだ僕らの未来は

 

だいごくんがオレンジで歌うソロパート。恋愛ソングとはいえ、どうしても目の前にいる彼らに重ねてしまった。

 

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舞台やコンサートに行くのが怖い。

 

そんな感情が芽生えてから1年が過ぎる。ちょっと個人的なお話になってしまう。ある時から動機や息切れを感じやすくなった。特にそれ以外に何もなかったのであまり気にしていなかった。運動不足くらいにしか思っていなかった。しかしある日、とある懇親会に出席した際、突然動機や息切れを起こした。自分で何とか落ち着けようとするも、めまいや寒気で視界がかすみ、自分が自分じゃなくなってしまうような感覚に襲われた。結局、それは10分程度で治まった。しかし、この日から薄暗い密室のカラオケルームや煙たい居酒屋、緊迫感のある会議室、満員電車など、閉鎖された空間にいると、前回の発作が起きたらどうしよう、自分がどうにかなってしまうのではないかという恐怖や不安に駆られるようになった。

それは閉鎖された空間である舞台やコンサートも同じだった。大好きなアイドルのコンサートに行くことや小劇場を中心とした観劇が好きな自分にとって、何よりいちばんつらかった。もうだいごくんにも、会いに行けないのかなと考えて泣いたこともある。

でもやっぱり、泣いてばかりじゃいけないと、そう思わせてくれたのはだいごくんだった。落ち込んだとき、かなしくなったとき、いつもHug&Smileの文章*1を読み返す。わたしにとってのおまじないのような存在だ。そのたびに、だいごくんは本当に心強いひとだなと感じる。以前に比べたら発作の頻度は少なくなっているけれどまだ発作は完全には治まっていないと思うし、いつ起こるかもわからないので、じっくりお付き合いしていかないといけない。でも、だいごくんのいる現場では起きたことはないので、これも不思議な力なのかなあ。

 

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そう言えば、22歳を迎える前日に更新された日刊なにわ男子のだいごくん 、 「(前略)心配しなくて大丈夫だよ」 なんてことを書いていた 。

 

そんな日から約1年が経とうとしていた先日のなにわ男子がはじめて単独で行ったツアーの追加公演『なにわ男子 First Live Tour 2019-2020 ~なにわと一緒に#アオハルしよ?~ in大阪城ホール』のオーラス。

 

22歳最後の公演。本編最後の挨拶。

空を仰ぎ、ぎゅっと噛みしめた唇から、ぽつりぽつりと零れてきた言葉。

「去年、正直ね、楽しかった、の気持ちが1番なんですけど、これは西畑の問題ではあるんですけど...ステージに立つのが怖かったときがあって...」

 

 

 

やっと吐き出せたのかな、やっとそういうことが言える場の温度になったのかな。心配しなくて大丈夫だという言葉の奥で、小さな身体で色々な思いを抱えていたのかな。そう思うと、ごめんねって思いで感情が溢れてしまった。けれど、だいごくんは、こう、言葉を続けた。

 

「でも、一年経ってほんまに楽しくて、毎日が本当に幸せです。」

 

涙が頬をつたう。ただ、かなしい涙だけじゃなかった。きゅっと口角をあげて、とても穏やかな表情で、今が幸せだと言葉にしてくれた。抱えこまずに、弱いところも見せてくれるだいごくんに対して、よかったと安堵した。だいごくんがそういうことを言える場の温度や時期がやっときた。「みんなおいで~〜。涙」ってメンバーを呼び寄せて肩を抱き、泣き腫らした目で、こうやって誰かが横にいないとやっていけないというか...とほろほろ目からあふれた思いがたくさん伝わってきて。ぎゅっとまるごとなにわ男子のことを抱きしめてあげたかった。前だけを見てここまで駆け抜けてきた彼らにもっと甘えていいんだよって言ってあげたかった。

 

でも、泣ききったあとにはもう、

「皆さんの夢が僕たちの夢で、僕たちの夢が皆さんの夢です。」

 

「ジャニーさんがつくってくれたこのグループ、メンバー、グループ名を大切にして、これからもなにわ男子一同本気で、デビュー狙いに行きます。」

決意の言葉を口にしていた。

 

だいごくん。

愛されるグループになりたい、なりますと綴ったあの日から、ここまで本当にすごいスピードで駆けてきたね。「なにわ男子のため、関西Jr.のために」という軸は変わらないところもだいごくんの好きなところです。だからその分、なにふぁむがだいごくんのことを大事にします、いいかな。アオハルツアーで見てきたペンライトの灯火の数々は、ちゃんとあなたが愛されている証です。真っ赤に染まったチューリップ畑、もっともっと見ていこうね。アイドル西畑大吾くんを応援できるのは、だいごくんがどんなときも、ステージに立ち続けてくれるからです。本当にありがとう。身を削りきらきら輝くあなたの少しでも味方で在れたら、しあわせです。

 

23歳、素敵な1年になりますように。

なにわ男子の夢、わたしたちの夢、叶えようね。

 

 

 

 

 

明けない夜はないよ

 

 

*1:胸が苦しくて眠れない夜だって、
心が張り裂けそうになることだって、
なんだってある。
それでもいい。
あなたがいてくれて、
あなたが笑っているだけで、
ぼくはそれだけでいいんだ。
それだけで心が洗われる。
明日に向かって強く生きようって思える。


あなたがもし、
ぼくと同じようなことになったら
次はぼくが側にいるよ。
あなたのそばで笑っているよ。
あなたがぼくにしてくれたように。
物理的に近くにいられないかもしれない。
でも、ちゃんと気持ちは側にいます。
だから笑っていよう。


つくづく愛に包まれ、守られている。
それは家族、友達、仲間がいるから。
そしてあなたも。


キレイ事かもしれないけど、
愛は性別だって、年齢だって、国境だって、
なんでも超えていく。
人生、別にキレイ事でもいいじゃない。
それであなたも幸せなら。


いつもありがとう。
これからもありがとう。
あなたにHug&Smileを。


Letter by 西畑大吾