ひっくりかえした、宝箱。

この瞬間、きっと夢じゃない 。

ORβIT

優しい心と夜と。

道端にオレンジ色の小路ができていた。 ほのかに薫る甘く惹きつけられるような金木犀もすっかり散ってしまった。 そんな景色も香りも、今はない。 ここにあるのは、夏から秋へ、そして冬に近づく匂いだ。 衣替えをせねばと衣装ケースを引っ張り出すと、「あ…